「フリーランスになりたいけど、会社辞めるのが怖い…」
「わかります。僕も一度退職届を取り下げたことがあります」
37歳、工場勤務17年。僕はこの経歴からフリーランスのWeb制作コーダーになりました。
ただ、スパッと辞められたわけじゃない。辞めたいと思い始めてから実際に辞めるまで、何年もかかっています。一度は退職届を出して、不安で眠れなくなって取り下げたこともある。
この記事では、工場を辞めると決めるまでの葛藤、辞める前にやった準備、そして最終出勤日の話をお伝えしていきます。
- 会社を辞めてフリーランスになりたいけど踏み出せない人
- 退職前にどんな準備をすればいいか知りたい人
- 同じように工場勤務から転身を考えている人
- フリーランスになった人のリアルな退職体験を聞きたい人
辞めたいと思い始めたきっかけ

うっすら考え始めたのは10年前
最初に「このままでいいのかな」と感じたのは、10年ほど前のことでした。
工場で唯一仲良くしていた同僚が、交通事故で亡くなったんです。工場での事故ではないけれど、身近な人が突然いなくなるという経験は、自分の人生について考えるきっかけになりました。
「自分はこのまま、ここで一生を終えるのか」。漠然とした不安が、この時から心のどこかにずっとありましたね。
周りがどんどん辞めていった
本格的に退職を考え始めたのは、周りの同僚が次々と辞めていった時です。
みんな上司が原因で辞めていきました。このままだと自分もダメになる。そう感じてからは、「辞める」という選択肢が頭から離れなくなりました。
一度、退職届を出して取り下げた
実は辞める2年前に、一度退職届を出しています。
でもその時は貯金もなく、副業の収入もなかった。退職届を出した途端、不安で眠れなくなってしまい、結局取り下げました。
この経験があったからこそ、「次は万全の準備をして辞める」と心に決めました。勢いで辞めるのと、準備をして辞めるのでは、その後の安心感がまるで違いますから。
辞める前にやった7つの準備

①生活費2年分の貯金を作った
最低でも2年分の生活費+αを貯めてから辞めると決めていました。
一度退職届を取り下げた時の反省から、「お金の不安=眠れない=判断力が落ちる」ということを身をもって学んでいたので、ここは絶対に妥協しませんでした。退職金は当てにしていなかったので、すべて自分で貯めたものです。
②副業収入を月10万円まで育てた
貯金だけでなく、副業の収入も作ってから辞めました。辞めた時点で月10万円程度。
正直、もうちょっと収入が増えてからでもよかったなという気持ちはありました。でも「辞めたい」という気持ちの方が強かった。月10万円でも「ゼロじゃない」という安心感は大きかったですね。
③継続的なお客さんを作っておいた
単発の案件だけでなく、継続してお仕事をいただけるクライアントを確保してから辞めました。
フリーランスは毎月の収入が不安定になりがちなので、一人でも「来月も仕事がある」という状態を作っておくのは大事。精神的な安定に直結します。
④開業届・青色申告の準備
開業届はすぐに提出して、青色申告のために電子帳簿も準備しました。
事業用の口座、事業用のクレジットカードも作って、経費や収支がひと目でわかるようにしておいた。プライベートと事業のお金が混ざると確定申告の時に地獄を見るので、最初から分けておくのが正解です。
事業用のメールアカウントも作って、クライアントとの連絡に使っていました。
⑤クレジットカード・住宅ローンは会社員のうちに
会社員の「信用情報」は本当に貴重です。フリーランスになると、クレジットカードの審査が通りにくくなる。
僕は辞める前にクレジットカードを作っておき、住宅ローンも組みました。会社員のうちにできることは全部やっておいた、という感覚ですね。
⑥借金を作らなかった
住宅ローンは別として、余計な借金を一切作らない状態で辞めました。
フリーランスは収入が不安定なので、固定の返済がある状態はリスクが高い。身軽な状態で独立できたのは、精神的にもかなり楽でした。
⑦Web制作のコミュニティに入った
同じWeb制作をしている人たちのコミュニティに参加しておいたのもよかったですね。
フリーランスは孤独になりがちなので、仲間がいるだけで心強い。情報交換もできるし、案件の紹介につながることもある。会社を辞める前から横のつながりを作っておくことをおすすめします。
家族への説明と周りの反応

妻は意外と反対しなかった
妻にはいつも工場の愚痴を言っていたし、毎朝4時半に起きて学習する姿も見てくれていました。本気なんだなと思ってもらえていたんだと思います。
日頃から「辞めたい」「こういうことがしたい」という気持ちを共有しておくのは大事ですね。いきなり「辞める」と言ったら、そりゃ反対されます。
親は「頑張れよ」と応援してくれた
僕の親は自営業だったので、独立すること自体に抵抗はなかったようです。特に何か言われることもなく、「頑張れよ」と送り出してもらえました。
妻の両親にはしっかり説明が必要だった
一方で、妻の両親はサラリーマン家庭。正社員を辞めてフリーランスになるということに、かなり問い詰められました。
今までの貯金はどのくらいあるのか、どうやって稼いでいくのか、ダメだった場合は就職するのか。こういった具体的な質問に対して、一つずつ説明して説得しました。
準備をしっかりしていたからこそ、根拠を持って答えられた。もし勢いだけで辞めていたら、説得は難しかったと思います。
最終出勤日と辞めた翌日のこと

退職届は渡してすぐ離れた
上司には退職届を渡しました。あまり話したくなかったし、渡してすぐその場を離れた。
小さな会社だったので、専務や工場長が何度か説得に来ましたが、「決めたことなので」と対応していました。一度取り下げた経験がある分、今回は迷いがなかったですね。
最終出勤日は晴れ晴れした気持ちだった
最終出勤日は、なんだか晴れ晴れとした気持ちでした。挨拶回りをしながら、不思議な感覚に包まれていたのを覚えています。
17年間通った場所を去るのに、寂しさよりも解放感の方が大きかった。それだけ「辞めたい」気持ちが積もっていたんだと思います。
辞めた翌日、朝日を見て「人生が始まる」と思った
辞めた翌日は、眠れませんでした。
不安とも興奮ともつかない感情のまま、ふらふらとドライブに出ました。そして朝日が昇るのを見た時、「これから自分の人生が始まるんだ」と、物凄くテンションが上がったのを覚えています。
あの朝日の光景は、今でもはっきり目に焼き付いていますね。
辞めた当日にやったこと

退職日当日に市役所へ行き、健康保険と年金の切り替え手続きをしました。
健康保険はまともに国保に切り替えるとかなりの金額になってしまうので、退職後2年間利用できる「任意継続制度」を選びました。会社員時代の保険をそのまま継続できる制度で、国保より安くなるケースが多いので、退職する方はぜひ確認してみてください。
辞める前にやっておけばよかったこと

準備に関しては、やれることは大体やったと思っています。
ただ、直接的ではないんですが、「時間がかかること」は会社員のうちに始めておけばよかったなと感じるものがあります。
具体的にはヒゲ脱毛と歯の矯正。
フリーランスは自分一人で営業もするので、見た目の印象がかなり重要です。人は最初の見た目でかなり対応が変わる。時間のかかる自己投資は、収入が安定している会社員の時期に始めておくべきでした。
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まとめ

この記事の内容を振り返ります。
辞めたいと思い始めたきっかけ
10年前からうっすら考えていた。周りが辞めていく中で本格的に決意。一度退職届を出して取り下げた経験がある。
辞める前にやった7つの準備
- 生活費2年分の貯金
- 副業収入を月10万円まで育てた
- 継続的なお客さんを確保した
- 開業届・青色申告・事業用口座の準備
- クレジットカード・住宅ローンは会社員のうちに
- 借金を作らなかった
- Web制作のコミュニティに参加した
家族への説明
妻・親は応援してくれた。妻の両親にはしっかり準備の内容を説明して説得した。
最終出勤日と翌日
晴れ晴れとした気持ちで退社。翌朝、眠れずにドライブに出て、朝日を見て「人生が始まる」と感じた。
辞めた当日
市役所で健康保険・年金の切り替え。健康保険は任意継続制度を利用。
やっておけばよかったこと
ヒゲ脱毛や歯の矯正など、時間がかかる自己投資は会社員のうちに始めておくべきだった。
準備に2年かかりました。でもその2年があったから、不安を最小限にして踏み出せた。「辞めたい」と思っている方は、今日から少しずつ準備を始めてみてください。

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